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台湾旅行.そのⅡ

2010年03月12日 01:00

台湾について考える

 毎年、三月は憂鬱な季節だ。確定申告の提出が3月15日まで、解かっているのに一年の通信簿を自分でつけるようで気が進まない。テスト前の一夜漬けのようにようやく今日まとめて、経理事務所に提出してホットしている。
 
 台湾旅行の後、もう少し台湾について書こうと思ったのだが、帰国後、溜まっていた仕事と新しい仕事の依頼の処理に追われブログを更新する時間が取れなかった。前回のバリ旅行の後も新しい仕事の依頼が増えた。旅行前に良いことがあるからとの誘いを受けたのだが、私としては実家が、真言宗と言うだけで、決して信心深い訳でもないのだが、同行した真言宗の住職さん達のお陰か、ご利益(ごりやく)あったようだ。

 旅行の前にその国を知るためにガイドブックを読んで行くのだが、帰国後そこで感じたことを思い出しながらその国のことを調べると、また違った感想を持つことになる。

 台湾の印象は、日本にいるのとそんなに違和感を覚えなかったことだ。街に溢れる看板も漢字で書かれているので殆ど意味が解かる。前回訪れた20数年前と比べて街がきれいになって、建物は高くはなったが、台北駅とその周辺はそれほどの変化は無かった。

 台湾周遊の旅は、台北駅から高尾に向かう新幹線から始まった。前夜、深夜の2時にホテルについて僅かな睡眠をとって、朝8時に台北駅に着いた。日本ではラッシュアワーの時間なのに、呆気ないほど駅は空いていて休日と錯覚するほどだ。しかし、ホテルからバスで駅に向かうまでの道路は、車とバイクで溢れていたのだが、鉄道にはそれほどに利用価値は無いようだ。

 駅の構内も薄暗く、キオスクに当たる売店としてセブンイレブンが一店開いていた。台湾の人口は約2300万人、バイクは1300万台だそうで成人は殆どバイクを持っているようだ。台湾の歴史を調べてみると、意外に新しいことに驚くと同時に、寺院は殆どが鉄筋コンクリートに極彩色で彩色されていて、歴史を感じさせる建物が殆ど無かったのも残念だった。

 現在の台湾政府は、1945年第二次大戦後、それまで大日本帝国によって統治されていたのだが、戦後処理のため、米国を主とする進駐軍の依頼を受けて、中華民国軍が進駐した。その後、中国大陸で毛沢東の率いる共産党軍との内戦に敗れた蒋介石(しょうかいせき)の国民党は、中華民国政府機能を台湾に移動した。

 その後、中国共産党すなわち、中華人民共和国が、国連に承認され、国際社会から「中国を代表する正統な政府」として承認する国が大勢を占め、台湾は国際的に不利な立場に立たされている。

 台湾の歴史を見ると、7世紀ころ中国大陸から移住が始まり、17世紀から本格的な移住が行われた。そして中国大陸から台湾に移住して来た中国人を本省人(人口の85%)と言い、戦後、蒋介石と共に移住して来た人を外省人(13%)と呼ぶ。お互いの間に微妙な確執があるようだ。因みに、先住民の割合は2%約40万だ。

 従って、複雑な民族問題を内包していて、台湾人の最大の関心は政治にあるそうだ。日本のTVで放送された国会での議員同士の殴り合いは珍しくなく、その間の複雑な感情を表わしていているのだが、日本人には理解出来ないだろうとガイドの沢(タク)さんが話していた。

 日本では、あまり知られていないが、台湾には徴兵制度があり、男性は20歳になると2年間兵役に就く義務がある。沢さんが、自嘲気味に話していたのは、男はこの兵役の間に軍隊で徹底的に鍛えられて、何事にも我慢強くなる。それは、家庭においても同じで男はじっと我慢、女性の立場が強いそうだ。

 台湾では、どの家庭も教育に熱心で大学の進学率も80%を超えている。従って女性の社会進出も多くて、殆どの家庭が共稼ぎで女性の発言権は強い。そこで、経済的に自立した女性が増加し結婚しない人が多くなって来ていて、少子化が進むと同時に離婚率も東南アジアで一番だ。

 九州と同じくらいの面積に2,300万の人が住む。特に人口が台北に集中して、住宅の値段が急騰してマンションは、2億円も珍しくないようだ。急速な経済の発展と共に家族の絆が希薄になりつつあるようだが、そこは華僑の血を受け継ぐ民族の逞しさで、裕福な家庭の子女は、アメリカ、カナダに留学をさせ、2つの国籍を取得して、将来の有事に備えているとこが日本人と違うところだ。

 しかし、ある意味で台湾の姿は、近未来の日本の姿として考えさせられることが多い。今回の旅行は、住職さんが多いので宗教について関心がある。そこで、台湾の宗教について少し触れてみると、台湾では宗教の自由が保障されていて、あらゆる宗教が存在する。

 漢民族の末裔が大半を占めていると言うこともあって、仏教、道教、儒教の三大宗教がお互いに影響し合って共存している。中国と違うところは、台湾人は非常に信仰心に厚く日常生活の中で神様や伝統が大切にされている。東南アジアの華僑が多く住むシンガポールなどにも同じような傾向があり、生活の中で風水が迷信と思うほど信じられている。

 例えば、都市計画や建築において風水を基に設計が行われる。ある意味、基準になるものがはっきりしていて計画が立てやすく整合性もできると言える。

 2004年に竣工した台湾が誇る世界第二の超高層ビルは、高さ508メーターも例外ではない。台北国際金融センター通称(台北101)は縁起が良いと言われる8の数字にこだわって色々なところに反映されている。建物を支える大切な杭は8本の巨大な柱が地中深く打ち込まれている。

 外観は竹の節をデザインして、8階分を一節として8つの節が縦に連なっている。全体に中国をイメージする建物になっている。そして、101が示すように地上101階でその89階の展望台に立つと台北が一望できる。夜、観光のために101に行ったのだが、ガラスが曇っているように見えた。それは雲のせいで、雲の中から夜景を見ることになった。昼間は、雲海が足元に見える時もあるそうだ。

 逆四角垂のガラス窓から外を見ると、足元の外壁が見えなくてまるで空中に浮遊している錯覚にとらわれる。当日は、風もほとんどなかったのだが、90階に風力の影響を減衰する為に、巨大な鉄の球形で出来た減衰装置があって、それを見ることが出来るようになっている。しかし、このビルも今年ドバイで竣工したブルジェ.ハリファが828メーター、168階の超高層ビルが出来るまで世界一を誇っていた。

 因みに、世界の超高層ビルの高さでベストファイブに、このビル以外で3棟は中国に建設されている。中国人は何でも世界一が大好きなようだ。旅行の楽しみは、やはり「百聞は一見に如かず」で実際に見て何かを感じることだと思う。次回は、インドに行く予定だそうだが時間とお金が許せば行ってみたいと思っている。

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台北101、四角垂のグラスを逆さに積み重ねたデザインが印象的だ

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2007年末に台北101に仕掛けた花火で祝う、中国人は本当に花火が好きでやることもど派手だ。
日本で新宿の超高層に仕掛け花火をやることなど考えられない。

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今年、ドバイに竣工した世界一高いブルジェ.ハリファ

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日本統治時代の建物が、現在台湾の総督府として使用されている。
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台湾北部の坂と階段の町チュウフン。昔、金鉱が採掘されて栄えた。人がすれ違う時に肩を触れ合うような路地の両側にみやげ物屋や食べ物屋が建ち並ぶ。千と千尋のモデルとなった町で昔の雰囲気を残し観光客でにぎわっていた。
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