2011年07月28日 11:22
屋根の補修
3月11日に発生した震災の影響は、千葉県にもその爪痕を残し、4か月経ってもいまだ屋根にブルーシートの掛かったままの住宅をあちらこちらで見かける。瓦屋根は、殆どの場合、棟が壊れている事が多いのだが、まず棟の材料が無いことに加え瓦の下地になる粘土や、漆喰材が不足している。さらに、瓦を扱える職人さんが高齢化して人数も不足しているので、いつ補修が出来るのか見当がつかない状態だ。
それでも、知人から紹介されると何とかしなければならない。棟の瓦があれば左官屋さん、大工さんで何とかなる。大工工事で棟型を造って板金工事で仕上げたり、漆喰の代わりに防水モルタルで仕上げたりいくつか工夫をして納めを考えて補修工事をして来た。屋根の補修工事に関連して、ついでと言っては語弊があるが、基礎が壊れたり、床が下がったり、雨漏りが発生したり、今まで誰に相談して良いか困っていてこの際に一緒に補修をしたいとの希望があり、一緒に工事することが多い。
そんな訳で、このところ補修工事に追われ、すっかり工務店の仕事が多くなって来た。しかし、補修工事をして感じた事だが、長年治らなくて半ば諦めていた雨漏りなどを治すと本当に喜んでくれる。全ての結果には原因がある。謙虚に実際の現象と正面から取り組むとそれなりの原因が見えてくる。建築のトラブルについて、人はあれこれと言い訳するが、建物はうそをつかない。建物の悲鳴に耳を傾けると、原因が見えてくる。
建築のトラブルの大半は、小学生の時に理科の時間に習った事で大抵説明がつく。たとえば、雨漏りの原因は、毛細管現象に起因する事が多い。また結露は、飽和水蒸気の露天温度に注意をすると原因が推察出来る。最近では字のごとく「ホームドクター」になった気分で、今までの経験を生かして人の役に立てると言う実感は、悪くないなと思う。そこで、最近の補修工事と現在進行中の工事を写真で紹介したい。百の言葉より一枚の写真の方が解り易いと思うので、参考にして下さい。
例その1

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全体の工事風景

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棟瓦を降ろして大工工事で棟の下地を造る

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棟の下地の下に防水モルタルで雨水が入らない様に処理をする

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板金で棟の形を造って棟にかぶせる

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竣工写真。破損した棟瓦を金属の棟に交換したが、違和感は無く、むしろシャープな棟の線が出てすっきり見える。屋根荷重も軽くなり、棟を木の下地でしっかり押えたので、地震で瓦がずれる心配が無くなった。
例その2

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破損した棟瓦を降ろした状態

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漆喰の代わりに防水モルタルで棟瓦の下地を造る。このほうが、漆喰より耐久性があり、地震に対しても強い

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防水モルタルで下地を整える

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棟瓦を載せて完成した状態
例その3

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洋風瓦の棟が破損したので棟瓦を降ろす。雨が降ると雨漏りの心配があるので多人数で一気に工事を進める

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棟付近の瓦を降ろした様子

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和瓦の棟と同様に防水モルタルで棟の下地を造る。和瓦と比較して下地のモルタルの量が少ない

↑
棟の補修完成の状態

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屋根工事の為、足場を掛けたので、この機会に外装の塗装も新しくした。補修した屋根の棟は、残念ながら道路からは見えない
例その4

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長年、屋根の雨漏りが止まらないとの相談を受け、雨漏りがしている屋根の部分を壊して見ると、明らかに壁に雨漏りの跡が見える。これは屋根と外壁のぶつかる部分の水切りの不足に起因している事が解る

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問題と思われる板金部分を撤去する

古い防水紙を取り除いて、下地をFRP防水処理をする

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防水処理をした上に、大きめの板金で屋根からの雨水を受けるようにする。これまでは板金が小さかったので雨の量が多い時に板金からあふれた水が壁を伝って下の廊下に漏っていた。この処理を終えて10何年雨漏りに悩まされていたのが、止まってとても感謝された。
3月11日に発生した震災の影響は、千葉県にもその爪痕を残し、4か月経ってもいまだ屋根にブルーシートの掛かったままの住宅をあちらこちらで見かける。瓦屋根は、殆どの場合、棟が壊れている事が多いのだが、まず棟の材料が無いことに加え瓦の下地になる粘土や、漆喰材が不足している。さらに、瓦を扱える職人さんが高齢化して人数も不足しているので、いつ補修が出来るのか見当がつかない状態だ。
それでも、知人から紹介されると何とかしなければならない。棟の瓦があれば左官屋さん、大工さんで何とかなる。大工工事で棟型を造って板金工事で仕上げたり、漆喰の代わりに防水モルタルで仕上げたりいくつか工夫をして納めを考えて補修工事をして来た。屋根の補修工事に関連して、ついでと言っては語弊があるが、基礎が壊れたり、床が下がったり、雨漏りが発生したり、今まで誰に相談して良いか困っていてこの際に一緒に補修をしたいとの希望があり、一緒に工事することが多い。
そんな訳で、このところ補修工事に追われ、すっかり工務店の仕事が多くなって来た。しかし、補修工事をして感じた事だが、長年治らなくて半ば諦めていた雨漏りなどを治すと本当に喜んでくれる。全ての結果には原因がある。謙虚に実際の現象と正面から取り組むとそれなりの原因が見えてくる。建築のトラブルについて、人はあれこれと言い訳するが、建物はうそをつかない。建物の悲鳴に耳を傾けると、原因が見えてくる。
建築のトラブルの大半は、小学生の時に理科の時間に習った事で大抵説明がつく。たとえば、雨漏りの原因は、毛細管現象に起因する事が多い。また結露は、飽和水蒸気の露天温度に注意をすると原因が推察出来る。最近では字のごとく「ホームドクター」になった気分で、今までの経験を生かして人の役に立てると言う実感は、悪くないなと思う。そこで、最近の補修工事と現在進行中の工事を写真で紹介したい。百の言葉より一枚の写真の方が解り易いと思うので、参考にして下さい。
例その1

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全体の工事風景

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棟瓦を降ろして大工工事で棟の下地を造る

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棟の下地の下に防水モルタルで雨水が入らない様に処理をする

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板金で棟の形を造って棟にかぶせる

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竣工写真。破損した棟瓦を金属の棟に交換したが、違和感は無く、むしろシャープな棟の線が出てすっきり見える。屋根荷重も軽くなり、棟を木の下地でしっかり押えたので、地震で瓦がずれる心配が無くなった。
例その2

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破損した棟瓦を降ろした状態

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漆喰の代わりに防水モルタルで棟瓦の下地を造る。このほうが、漆喰より耐久性があり、地震に対しても強い

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防水モルタルで下地を整える

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棟瓦を載せて完成した状態
例その3

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洋風瓦の棟が破損したので棟瓦を降ろす。雨が降ると雨漏りの心配があるので多人数で一気に工事を進める

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棟付近の瓦を降ろした様子

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和瓦の棟と同様に防水モルタルで棟の下地を造る。和瓦と比較して下地のモルタルの量が少ない

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棟の補修完成の状態

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屋根工事の為、足場を掛けたので、この機会に外装の塗装も新しくした。補修した屋根の棟は、残念ながら道路からは見えない
例その4

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長年、屋根の雨漏りが止まらないとの相談を受け、雨漏りがしている屋根の部分を壊して見ると、明らかに壁に雨漏りの跡が見える。これは屋根と外壁のぶつかる部分の水切りの不足に起因している事が解る

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問題と思われる板金部分を撤去する

古い防水紙を取り除いて、下地をFRP防水処理をする

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防水処理をした上に、大きめの板金で屋根からの雨水を受けるようにする。これまでは板金が小さかったので雨の量が多い時に板金からあふれた水が壁を伝って下の廊下に漏っていた。この処理を終えて10何年雨漏りに悩まされていたのが、止まってとても感謝された。
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