2008年10月08日 16:01
やすらぎについて
無垢材の木は、その木の香りの中に人の気持ちを癒す効果があります。また、珪藻土やシラスは、湿度の調整や、いやな匂いの吸収に効果があります。昔の家は、壁の仕上げに土を練って使用しました。柱もむき出しで見えています。この仕上げを建築用語では、真壁(しんかべ)と呼びます。最近の壁仕上げは、石膏ボードの下地に、ビニールクロスで仕上げるのが一般的です。このように柱を隠して仕上げた壁を、大壁(おおかべ)と呼びます。
この仕上げは、経済的理由から最も一般的な仕上げとなっています。しかし、コストは少し高くなりますが、下地は石膏ボードでも仕上げに、自然素材の塗り壁や、本物の板を使用します。床から90センチ位を腰壁と呼びますが、この部分を本物の板を張ることで傷や汚れの防止にも役立ち、見た目にも優しく感じることができます。床や、天井の仕上げにも無垢材を使用した空間は、木の香りに包まれた、癒しと、やすらぎを感じることが出来ます。
快適性について
人が快適と感じるには、間取りが大切な要素となります。自然の光と風が流れるように工夫された間取りは、省エネルギーにも貢献します。よい間取りは、照明器具や空調機の使用を抑えることが出来るからです。ハウスメーカーのパンフレットで高気密、高断熱をセールスポイントにしていますが、関東地方で考えると、一年を通して本当に冷暖房を必要とするのは、夏、冬の限られた時期です。
本当の気持ち良さは、自然の風を肌で感じられることです。高気密、高断熱も行き過ぎると、ビニールハウスの中で暮らしているようなものです。もちろん、断熱材の必要性も、開口部の二重ガラスも否定はしませんが、適材適所に必要に応じて使用するべきだと思います。
天井の高い吹き抜け空間に、開閉式のトップライトを設置するだけで、圧迫感をなくし、明かりを呼び込み、夏の暑い空気を排出するのに役に立ちます。冬の寒さには、床暖房は必須の設備となりますが、吹き抜けがなくても床暖房はお勧めします。足もとが暖かいとエアコンに頼らなくても快適に生活することが出来ます。大切なことは、風や太陽の光を考慮して、適切な場所に開口部を設置することです。それで、相当の省エネ効果を期待することができます。
安全性について
最近の地震の被害を見ると、倒壊している建物は老朽化の進んだ家が大きな被害を受けているようです。しかし、最近の建物は建築基準法に基づいて、地震に有効に働く耐力壁と呼ばれる壁を、必要に応じて設置することが要求されています。しかし、建築基準法も地震に対して必要以上に、やたらと金物で補強することを強要していることに、注意しなければなりません。
例えば、スキーで転倒した時にスキー靴の留め金具が強くて、スキー板が外れずに骨折するようなものです。細い柱に必要以上の補強金物は、結果として柱を痛める恐れがあります。そこで、伝統の木造工法の良さを知った上で、適切な補強をすることが大切です。
一般的に、地震に強い家は、屋根が軽くて、耐力壁がバランス良く配置されていること。そして、梁などの構造部材に、かかる荷重を考慮して、部材の大きさを決めることが大切です。場合によっては、必要な部材より、一回り大きな部材を使用することも効果があります。
室内については、小さな段差をなくして、つまづかないように注意します。廊下の広さは、車いすが通れる広さを確保します。特に、家の中での事故の一番多いのは階段です。蹴上(けあげ)、一段の階段の高さや踏み面(ふみずら)と呼ばれる一段の奥行に注意することで事故を防ぐのに効果があります。構造としては、昔の民家住宅のように木組みを見せることで部材の大きさを確認出来ると同時に、デザインとしての効果が期待出来ます。
安全とデザインを考慮すると、民家住宅のような力強い木組みと、洗練されたデザインの調和が、素敵な家を造るポイントだと思います。




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